制作年 2015年
録画日 BD形式 2016年2月
鑑賞年月 BD鑑賞 2016年2月
昨年(2015年)、スターチャンネルで「THE 60’s」という
ドキュメンタリー番組が放映された。
米国版「映像の20世紀」といった番組だったが70年代版もあり、。
第2回ということで本作が放映された。
今回のテーマは音楽業界の変革というかロックのビジネス化、産業化を通じて
米国社会の変遷を、当時の映像で追いかけている。
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリンが亡くなり、
ザ・ビートルズの解散で幕を開けた1970年代。
60年代後半に登場したいわゆるロック(ロックンロールとは違う…)。
それが70年代になると個性を主張し始め、
さらにファンの熱狂とともに裾野が広がってゆく。
ギターを持っているだけで不良と言われた時代は終わり、若者たちのファンション、ライフスタイルそのものに大きな影響力を持つようになる。
また、この時代の前半は米国社会にあってはベトナム戦争が政治、経済そして精神の全ての面において重くのしかかっていた。
音楽は政治、経済といった社会体制への反発、反抗の手段でもあった。
そしてジョージ・ハリソンが主催したチャリティコンサートに象徴されるように、
音楽が社会を、人々を動かした時代でもあった。
しかし、後半それらの動きは急速にしぼんでゆく。
理由は様々だが、社会を動かすエネルギーをもった若者の音楽、とりわけロックに経済が噛みついた…いや、すり寄ったからではないか。
より刺激的なサウンドをミュージシャンに求め、彼らを資本経済の荒波に、
豪華客船に乗せて稼ぎまくった…ミュージシャンも稼いだだろうが、
サポートする全ての人々が潤ったのだ。
そこに反発したのがロックの原点に返ることを叫んだパンクであった。
まぁ、そうなのかどうかは知らないが、本作はそう主張している。
米国でもパンクは流行ったが、階級闘争のある英国のほうが鋭いパンチ力を持ったバンドが多く輩出したのではないかと記憶する。
より豊かな米国はダンスミュージック、ディスコサウンドへと傾斜してゆく。
その後、ディスコサウンドは世界を席巻した。
良くも悪くも「サタデー・ナイト・フィーバー(1977年)」の大ヒットは、
ディスコサウンドに膨大なパワーを与えたことは間違いないだろう。
それまでの音楽に対する一種のアンチテーゼとして生まれたロックは、
こうして大きな経済のうねりの中に巻き込まれてゆく。
これを堕落ととるか、産業化と称するか。
肯定的に言えば、このように産業化されたおかげて今日私たちは世界中の音楽を耳にすることができる、と言えなくもない。
リバプールの場末のクラブで光り輝いていても、
日本の片田舎では生涯耳にすることはない。
やや米国映像が多いのは、制作目的から致しかたのないところであるが、
ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエスといったプログレバンドが語られないのは、トム・ハンクス氏の片手落ちのような気がした。
単に好みじゃないだけかもしれないが…
シニアコムHPより
ラベル:ドキュメンタリー

